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書究文化書芸院
審査会員
氏名
中村
秀嶺
なかむら
しゅうれい
釈文・読み
出典:臨「行書山谷題跋語四屛」(何紹基) 荆州沙市舟中。久雨初霽。開北軒。以受涼。王子飛兄弟來過。適有田氏嘉醞。問二客皆不能酒。而予自贊日。
意味
黄庭堅の「跋匹紙」という文章の一節です。匹紙とは良質の紙のこと。黄庭堅が客の王氏兄弟に酒をすすめたところ、兄の子飛と子均は酒が飲めず、弟の子予だけは「飲める」と言いました。そこで黄庭堅は持っていた古銅の酒器をすすいで、なみなみと酒を注ぎ、「これを飲むことができたら、良質の紙に書をしたためて、あなたに贈ろう」と言いました。子予は酒を一気に飲み干して、黄庭堅は書を贈り、酔っても俗な話を一切しなかった子予の非凡さを称えた、という内容の一部です。
解説・備考
何紹基は清の時代の詩人であり書家。何紹基は学識に富み、当時盛んに行われた金石学にも好んで取り組み、様々な著作を残しました。はじめは唐の顔真卿の書に傾倒し、のちには北魏時代の書風を尊んだ書家たちに影響を受けて視野を広げ、幅広い時代の書を学びました。字形やリズムも自由で、起筆には一部蔵鋒も見られ、顔真卿の影響が随所に感じられます。
書家からのメッセージ
以前からかなり気になっていた何紹基。初めて臨書に挑戦しました。今回も作品作りに出遅れてしまい、細かな筆意を表現することが難しく、稚拙な作品になってしまいましたが、墨継ぎや文字の大小などの配列を楽しみながら書くことができました。臨書の作品作りは、私にとっては歌でいうと、名曲のカバーだったりします。曲の良さを損ねないように注意しながら自分のものにしたいな、と思っています。最近カラオケしてないなー。
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